てっきり非難の言葉が返ってくると思っていたのに、五十嵐君から返ってきたのは、予想外な返事だった。
「うん…わかるよ。」
少し、切なそうな表情。
そこで、ハッとした。
五十嵐君から告白されたのは、つい2週間前の事だった。
「俺の事なら気にしないで。」
ほんと、適わない。
五十嵐君には、気持ちが読まれてしまうみたいだ。
「坂本さんだって好きな人に、自分の気持ちに気をつかわれたら困るだろ?」
…確かに。
苦笑いで、頷いた。
「好きなら好きでいいじゃん。
少なくても…」
言葉を切った五十嵐君と、目が合う。
その強い眼差しに、胸がぎゅっと締め付けられた。
「俺は、諦めない。」
なんて、力強い目をする人なんだろう。
今までの柔らかいイメージとは違う一面に、私は動揺した。
と思った途端、五十嵐君の目元がふわっと緩んだ。
「なんて、航平に聞かれたらまた怒られるだろうな。」
と1人で苦笑いしている。
「…三河に?」
「ん?
あぁ…何でもない。」
何かよくわかんなかったけど、
五十嵐君と話していると、
あんなに、もやもやしていた気持ちが、スーッと消えた気がする。
「不思議…」
「ん?」
「何でもない。」
五十嵐君と話していると、
まるで
前からの知り合いみたいな、そんな感覚に陥る。
…不思議な人。

