「ホスト喫茶ですけど?」


「明里がホスト…」


「いやまだ役割は決めてないけど…ってなんであたしがホストしなきゃなんねーんだ。クラスのヤロー共がはりきってホスト様になってくれるだろうよ。」



そもそもあたしは女だ。



「だって絶対明里がホストしたほうがかっこ良いよ!ゆうきも認めた超男前なんだから!」




だってじゃねーし。
今野くんに認められた覚えもない。




「それにほら、舞台に立つ時にクラスのカッコしてたらかなりの宣伝でしょ?

明里がイケメンホストのカッコで漫才すれば客も集まるしギャップで面白いし、一石二鳥だよ!」



「断る。それはもう置いとけ。あたしはお前のクラスの企画を聞いたんだよ。」



誰がホストなんかやるか。



「えー面白いのにー。もったいない。」


「うるさい。あんたのクラスはなにすんの?」


「浴衣カフェ。」



なんだその洒落たカフェは。
やはり一年と二年じゃ考えることが違うのか。



ホストなんて完全に最初だけの出落ちタイプだが、浴衣なら女子は可愛い男子はかっこ良いと効果が長いからな。


しかも浴衣マジックによっていつもはたいして可愛くない子、かっこ良くない子がちょっといいんじゃねーかみたいな効果もある。




ホストなんざブサイ君がやってしまった日にゃあ女子の手によって血祭りだぞ。




「お前は甚平とかのが似合うよな。」


家にもあるし。


「お、さすが明里さん。俺は甚平でいいって言われた。」


「じゃあステージも甚平のが楽だよな。」


あたしはどうしようか。

甚平に合わせるなら浴衣だけど、10分のためだけに着るのもめんどくせぇな。



「あたしは制服でいいか。」


どうせ裏方だしな。