キャラクターショーが終わる前に、今日のステージ企画の流れを最後までしっかりと打ち合わせし、万全の体制でキャラクターショーの閉幕を待つ。


というか、ろくに打ち合わせもせずにMCやろうと思ったのが悪いんだよ。

ひとえにポンコツのせいだよ。




「ご当地クイズ大会の問題これね。まるバツ問題で参加したい人だけステージ前に集めるから。」



「全然参加者集まらなかったらどうします?」



「それは慎太郎くんと明里ちゃんの力で呼び込んでもらわないと。」



「そんな無計画体制だなんて驚きっす。ど素人MCの声なんてなかなか響かないですよ?」



「あはは 大丈夫だよ。君たちきっと自分たちが思っている以上に人気者だから。心配しないで行って来なさい。」




にこやかにあたしの肩を叩く福井さん。

なんでそんなにあたしたちのことを信用しているのかわからないが、実行委員長である彼が「やれ」と言うのならやるしかない。


参加者を移動させるのは実行委員の皆さんでやってくれるようなので、あたしたちはステージ上から危険のないように見張れということらしい。



「俺もクイズ大会参加したいなー。福井さん、俺は混ざっちゃダメですか?問題まだ見てないからセーフ?」


「ダメじゃないけど、そうすると明里ちゃんが1人で問題を出すことになるよ?それでもいいならどうぞ。」



「問題のカンペもあるし別にいいよ。」



やったやったと喜ぶポンコツに呆れるが、この子どもみたいな素直さがこいつの魅力なんだろう。


周りの人が知らず知らず笑顔になる力だ。



「1問目で間違えてすぐにステージに戻って来なよね。」



「……明里がデレている!お兄ちゃんと離れるのが寂しいんだね!でも勝負は勝負だから、お兄ちゃん本気で戦ってくるよ!」



「……柴田さんはどうします?なんならこの勘違いポンコツと一緒に参加してきてもいいですよ。」



「オレはもう疲れたから上で間違える無様な姿を見物するわ。」



「言い方が最悪ですね。そういうの嫌いじゃないですよ。」