ネコさんが手にしているスケッチブックを受け取り、中身を確認すると、そこには舞台裏からの指令が書かれていた。



『次はちりめんじゃこの出番だから、どうにかしてネタ始めちゃって!』



「どうにかできるかぁ!」



何の中身もない、打開策とは間違っても言えないカンペに、思わずスケッチブックをネコさんに投げつけた。



「明里?!ネコさんになんてことするの?!ネコさんが可哀想!」


「内容読んでよ。投げつけたくもなるわ」


慎太郎がスケッチブックの所定のページを開き、内容を読み上げた。



「どうにかしてって、丸投げにも程があるでしょうが」


「うーん…これはネコさんが悪いね!フォローできない!」


「お前庇うなら最後まで庇ってやれよ。あっさり見限るな可哀想に」


「だって、ネコさんの味方になるってことは、明里の攻撃対象になるってことでしょ?そんなの嫌だもん」


「そんなこと気にしなくても、お前はいつだってあたしの攻撃対象だから安心して」


「全く安心できないよ!!」



ネコさんを挟んでそんなやり取りをしていると、今まで間でオロオロしていたネコさんが急に暴れ出した。


あたしたちの間を割るように前に出るネコさん。