「どんな状況なのこれ?」
「いやね、家の前で迷惑行為してる人がいたから、現行犯逮捕してやったのよ。」
なるほど、お母さんからの制裁を受けた後でしたか。
「慎太郎は、ご飯いらないってことでいいんだよね?」
「おおおお母様!!どうかそれだけはご勘弁を!お腹がすいて力が出ないんです!」
「家の前で騒ぐ力があるなら十分でしょ?」
「もう!それで力を使い果たした!」
「自業自得じゃない?」
冷たいお母様の言葉に「うわぁん!」とうなだれた慎太郎に、クスクスと笑いがこぼれてしまうのは仕方あるまい。
慎太郎の横でおとなしく正座をしている二階堂先輩は、どうしていいかわからないのか、うろうろと視線を泳がせている。
はぁ、しょうがないな。
「お母さんや、この人たちあとはあたしに任せて。キツク言っておくからさ、慎太郎のご飯も用意してやってよ。」
「あら今日は優しいのね明里さんや。」
「まぁ、お客さんの前ですから。じゃあ、あと続きはあたしの部屋でやりますか。」

