「先輩、いくら粘ろうが明里は俺のですから。ね?明里?無駄な努力ご苦労様です。」


そう言って隣に座るあたしと肩を組む気なのか、慎太郎が腕を伸ばしてきたので、丁重に叩き落とさせてもらった。




「え、今のは兄妹でタッグを組んで先輩に攻撃するとことじゃないの?!」


「慎太郎ファイトー。明里さん早くこれ食べたいからそっちで勝手にやってて。橋本くん、早く焼いて食っちゃいましょうそれ。」



先ほど福井さんが持ってきたデラックスお好み焼きを指さす。


どこらへんがデラックスなのかは知らないが、デラックスっていうくらいなんだからなんかしらがデラックスなんだろう。




「それ俺が頼んだやつ!」


「だから何?」


「え、お兄ちゃんも食べたいなーそれ……」


「先輩と決着ついたの?」


「いやまだだけど…」


「じゃあダメー」


「えぇ?!先輩早くあきらめてくださいよ!お好み焼きなくなっちゃうじゃないですか!」




「そんな理由で切り捨てられるオレってスゲー憐れじゃね…?」