慎太郎の衝撃的なカミングアウトのあと、とりあえず正座をさせ、相談とは何かを30分かけて一からポンコツに叩き込んだ。



市の祭りは3週間後。

今ならまだキャンセルも間に合うだろう。


「慎太郎、実行委員さんの連絡先教えろ。」


「連絡先なんて知らないよ?」


「は?じゃあどうやってお願いしたわけ?」


「直接ー。やらせてくださいって言ったらいいよーって言ってくれた。」


「口約束か…なら取り下げることもできるだろうな。

実行委員さんってどこの誰?てか、いつの間にそんなことになってたの?」


文化祭前は特に慎太郎と一緒の時間が多かったし、第一こいつがそんな重大なことを長い間隠しておけるとは思えない。





「…それ教えたらさ、明里は、やめるって言いにいくんだろ?」


急に真剣な顔になった慎太郎。

よくわかってんじゃん。あたしのこと。



「明里さ、今回ステージやってみて、なんとも思わなかった?」

「恥ずかしかった。失敗した。もうヤダって思った。」

「本当にそれだけ?クラスでお客さんに感想言われても?」

「…そうだよ。それだけ。」