足、痛いな。


 さっきまで、優しかったのに。


 ていうか。


 マジで?


 マジで男の服着るの?

 
 私はしぶしぶ上着に手を通す。


 ぶかぶかだったけど、とても暖かかった。


 男が私にメットを差し出した。


 私は、バイクのメットをかぶり、後ろに跨った。


「抱きつくの?」


「さっさとしろ。」


 さっきから、随分切れてるみたい。


 私の行動が遅いからだと思う。


 男は私の手を腰に巻いた。


「嫌になっても、ぜってぇ離すなよ。」


 男は、バイクを飛ばした。


 周りにはもう、バイクは無かった。


 みんな先に倉庫に行ったんだと思う。


「なんで、私も?」


「怪我、痛そうだから。」


「ありがとーございます。」


 一応お礼を言っておいた。