「1つ、荷物が邪魔。2つ、風邪引く。3つ、男に触るのは、無理。」


 私は、簡潔に述べた。


 男は、

「荷物はこん中につっこめ。俺の上着着てろ。我慢しろ。」

 と言ってきた。


 何、こいつ。


 めっちゃ、綺麗に言葉を返してくるな。


 まぁ、無駄が無いのはいいんだけど。


 男は、私が固まってるのを見て、めんどくさそうにため息をついて、私の荷物を奪い取って、荷物を座るところの下に突っ込んだ。


 そして、上着を脱いで、私に差し出した。


「お前が、寒くなるんじゃん。私に差し出したら。」


「俺は、慣れてる。」


 慣れてるって。


 女に上着を貸すのが?


 シャツ1枚でバイクに乗るのが?


 そんな私を見て、男がバイクを降り、私の手を引いた。


「足、痛いってば!」


「着てろ。」


 男は私の肩に上着を乗せた。