「お前、寒いのか。」


「ち、違う……触られると…こ、怖い。」


「ほらー。やめてあげなよ、玲。」


 もう。


 もう、やだ。


 怖すぎる。


 降ろして、降ろしてお願い…


「……しろ。」


「は?」



「我慢しろ。」


「…無理。」


 やだ、無理。怖い。


 目を閉じれば浮かんでくるんだってば。


 あのときの恐怖が。


 やめてよ。


 やだ。

 怖い。


 もう、我慢できなくて、息を殺して泣いた。



「あーあ。何やってんの、玲。泣いちゃったじゃん!!」


「うるせぇ。少しは口閉じること、学べ。」



 怖い顔で、男を睨んでた。