さっき抱き上げようとした男が聞いてきた。


 紳士的だな。


「うん。大丈夫…」


 頑張った。



 私は、演じることを頑張った。



 誰にも、気づかれてないと思ったのに。


 ふわっ。


 え?


 何?


「ちょっ、玲。男嫌いなんだよ?その子。やめてあげなよ。」


 さっき、無言で私のこと見てた人に、抱き、上げられ、てる?


「お前、家。何処だ?」


「降ろしてください。」


 私は冷静に言った。


 だって、お姫様抱っこされてるんだもん。


 身体が震える。


 怖い。