「何であなたが・・「吹雪」」
「へ?」
「おれは『あなた』でも『あんた』でもない。俺の名前は吹雪だ。そう呼んでくれてかまわない」
俺がコイツに心を開けば
コイツは絶対に心を開いてくれる。
「吹雪・・・は何でそこまでしてくれるの?私に関わるとろくな事おきないわよ・・・」
「それでもいい。
それでも俺は千歳に笑ってほしい・・」
感情をなくす人間なんていない。
ただ忘れてるだけだと思う。
長い間自分の感情を殺して生きてきた千歳は、きっと辛いはず・・・
「笑い方なんて知らない。
忘れたわよ・・・昔に捨ててきたのよ」
「それは違うな。
ちゃんと分かってるはず。
千歳のここにちゃんとあるはず」
俺は自分の胸に手をあてた。
そうだ。
ちゃんと持っている。
千歳はうつむきながら言った

