「ごめん・・
 何も聞かないから手当てだけ・・」


俺は俯きながらそういった。

千歳は素直に腕を出してきた。




俺は割れ物に触れるように優しく手当てをした。



両腕とも手当てを終えた直後千歳が口を開いた。


「なぜ何も聞かないの?」

それを聞くか・・・
本当は今すぐにでも聞き出したい。
だけど、

「言いたくないなら言わなくていい。
 無理に聞こうとは思ってない。
 千歳が言いたくなったら俺はいつでも聞く」

俺は千歳の目を見て真剣に話した。



「私は・・・」