『………』



『………』


お互いに沈黙の、


座ったままの男子と立ち尽くした女子のまま。



少し、生温い風が二人の髪を、静かに揺らす。



『…ごめん』




最初に口を開いたのは男子。



『えっ…』



私は彼が何故謝るのか、わからなかった。



『いつも、ここで食べているんだろう?


なのに、居場所を先取りしてごめん。


別の場所に行くからゆっくり食べなよ。』



『い…いやっ!こ…こちらこそ、邪魔しちゃってごめんなさい!』

私は慌てて謝り返した。


『邪魔ってなんの?』


『その…置いてある…』