私は足早に川原へと向かった。
土手に登ると、昨日までの美しい桜並木に枯葉が舞っていた。
もう秋なんだ…。

土手の下を見下ろすと、あの日と同じように陽咲が仁王立ちして私の方を見つめている。
あの日陽咲は私が来るのをどんな気持ちで待っていたのだろうか。
すぐに別れの時が来る事を知っていた陽咲は、どんな気持ちで私との時間を過ごしたのだろうか。
考えていたら、自然と涙が溢れた。
そして私は陽咲に駆け寄り、抱き付いた。