「亜夕ちゃん、落ち着いて！」

気が付くとデーテが私の肩を揺すり、心配そうな眼差しで私を見ている。

「デーテ…。」

「亜夕ちゃん、心配したのよ。夜中に出歩いたりして、危ないじゃない。」

デーテはうっすら涙を浮かべ、私を抱きしめた。
嬉しかった。
本気で心配してくれて。
今までに感じた事のなかった愛情に触れたような気がして、私は涙が止まらなかった。

「デーテ、ありがとう。ありがとう…。」

「どうして泣いているの？」

「私、嬉しいの。こんな私を愛してくれて、ありがとう。」

「…。そろそろ決断の日を決めなければ…。」

デーテは険しい表情で呟いた。