とても不思議な気分だ。
デーテの言葉の一つ一つが、私の心を洗い流す。
辛い記憶をデーテが一つ一つ丁寧に修正してくれているようだ。

ずっとここにいられたらいい。
ずっとこのままなら、私は母の支配から解き放たれるかもしれない。

背中の羽は、無事だった。
壊れてしまったのは、歩き疲れた足だった。
それでも私は、飛び立つ事を諦めた。
今気付いたよ。
とどまる事は、使命じゃない。
きっと大丈夫。
今なら自信を持って羽ばたけるはず。
背中の黒い羽を広げ、堂々と。