私達は街の近くの港へ向かった。
港に着くと、小高い丘に長い階段が伸びていた。
陽咲は私の手を引いて階段を登る。
陽咲の手はとても暖かくて、華奢な体つきとは異なりごつごつしている。
陽咲は男の人なんだ。
そう思うと突然変に意識をしてしまい、恥ずかしさがこみ上げてくる。
今私はこの人にしっかりと守られているんだ。
この瞬間だけは、何に怯える事もなく自然体でいてもいいのかな。
「いいわけないでしょ?」
私の脳裏にはっきりと聞こえた母の声。
「あゆちゃんみたいな落ち着きのない子のせいで周りのみんなが迷惑するの。」
耳にタコが出来るほど聞いた台詞が、陽咲といる事で安心しきっていた愚かな私を現実に戻す。
私は立ち止まり目を閉じて、そっと陽咲の手を放す。
「ん?亜夕、どうしたの?」
「陽咲、私といると迷惑じゃない?」
「えっ、そんな事ないよ。どうして?」
「嘘!迷惑に決まってる。」
陽咲は私の目をじっと見つめ、優しく微笑んだ。
港に着くと、小高い丘に長い階段が伸びていた。
陽咲は私の手を引いて階段を登る。
陽咲の手はとても暖かくて、華奢な体つきとは異なりごつごつしている。
陽咲は男の人なんだ。
そう思うと突然変に意識をしてしまい、恥ずかしさがこみ上げてくる。
今私はこの人にしっかりと守られているんだ。
この瞬間だけは、何に怯える事もなく自然体でいてもいいのかな。
「いいわけないでしょ?」
私の脳裏にはっきりと聞こえた母の声。
「あゆちゃんみたいな落ち着きのない子のせいで周りのみんなが迷惑するの。」
耳にタコが出来るほど聞いた台詞が、陽咲といる事で安心しきっていた愚かな私を現実に戻す。
私は立ち止まり目を閉じて、そっと陽咲の手を放す。
「ん?亜夕、どうしたの?」
「陽咲、私といると迷惑じゃない?」
「えっ、そんな事ないよ。どうして?」
「嘘!迷惑に決まってる。」
陽咲は私の目をじっと見つめ、優しく微笑んだ。
