お蕎麦びより





──芭蕉庵



「おやおや?」


ある昼下がり、芭蕉庵の庭に黒猫が迷い込んでいた。


「かわいいー!
松尾猫ちゃんだいすき!」


すぐさま飛んでいって喉を撫でると、猫は気持ちよさそうに目を細めた。



「よしよし」


──なんかこの猫、曽良君に似てるなぁ。


「まぁ、私の弟子男は鬼同然だからな!
こんなかわいい猫ちゃんとは全くの別物……」


「鬼?誰がですか?」