「優哉くんはさぁ!」



『………』



「………」



キャピキャピした話し方してる花音ちゃん……



さっきからちゃんづけきも……



『……花音ちゃん家ここだよな?』



「あ、もう着いちゃったのぉ……」



…今気付いた。




コイツ、キモい。



『んじゃ、俺、來未送るからじゃぁな!』



「ぇ、ちょっな?!」


無理矢理來未の手を握って走る。


「あ、優哉くん!」




ぎくっと一回止まって振り返る。



「私は花音って呼んで」

ニコッと嘘くさい笑みを俺に向ける。





『…解った…。じゃぁな、花音』




そう言って、また全速力で走った。




花音は……



「さて……どうやって奪おう?」



下唇を舐めて怪しく笑った……