「ーーーー原田さーん!」 看護師の少し高めの焦った声が俺たちの耳に入った。 原田……? 『……來未…』 俺は、無意識に來未の病室に全力疾走していた。 『來未っ………‼』 ガラッと勢いよく開けると、ぽけーっとした來未の顔。 「ゆー………や」 來未は、酸素マスクが邪魔なのか、喋りづらそうに俺を見てくる。 『來未っ………!』 俺は、力一杯抱きしめた。 寝たまんまで動けない來未を、抱きしめた。