『ぇ………』 「私は、來未の父親だ。確かに。 でも、來未に見える愛を教えてやれる事は出来なかった。 陰ながらに見守りながら來未の生活費、学費、金を愛だと勘違いしていたのかもしれない。 だけど、ある日、怒鳴られたんだ。 「優哉は、お父さんと違って愛してくれた‼」 ってね………」 苦笑しながら目を細める親父さん。 「………知っていたんだ。 來未が、私の与えていた愛じゃない愛を欲していた事を。」 親父さんの、声は一層震え出した。 それを黙って俺は聞いていた。