「どうぞ」 俺はとりあえずニコリと微笑んで、ビニール傘を差し出した。 「あなたが濡れますよ?」 春奈は弱弱しい声で言ってきた。 「大丈夫!俺バイト先すぐそこだから」 俺はバイト先のコンビニを指差して言った。 その時、やっと俺は遅刻しそうなことに再び気がついた。 「やべっ!俺、遅刻しそうだったんだ! それじゃぁ」 俺は持っていた傘を春奈の肩にかけ、俺はそのまま走った。 「えっ!?あの・・・・」 これが春奈との最初の出会いだった。