しばらく、俺は春奈の手を握りしめていた。すると、春奈が目を覚ました。 「春奈?大丈夫か?」 「貴ちゃん?どうして・・・」 春奈は驚いた顔をしていた。 「田中さんが連絡してくれたんだよ。春奈が手首切ったって・・・」 「そうだったんだ・・・」 その時、春奈は悲しそうな顔をした。 そして、俺から目をそらし、顔を横に向けた。 「貴ちゃん、ありがとう。もういいから帰っていいよ」 春奈が口にした言葉を聞いて、俺の中で何かが切れる音がした。