「おい、おい、貴之~」 「えっ?」 「お前最近ボケ~っとしてるよな。何かあったのか?」 彰さんは休憩時間にアイスを食べながら、聞いてきた。 「いやっ、何もないです」 その頃、俺は電話が鳴っていることも知らずにただ春奈のことを考えていた。 バイトが終わり、携帯をチェックすると、何十件と着信が入っていた。 不思議に思って着信履歴を見てみると、相手は春奈からだった。 俺は嬉しかったが、何十回もかけてくるのはおかしいと思い、嬉しさの半面不安を感じた。 でも、俺はとりあえず掛け直すことにした。