「・・オホッ・・・」 「おい、貴之!お前には失望したよ!春奈ちゃんの気持ちもちゃんと分かってやれよ!」 そう言って彰さんは、帰ってしまった。 気がつけば、空からは雨が降り出していた。 「じゃぁ、俺にどうしろって言うんですか・・・・」 彰さんに殴られた唇からは、血が出てきていた。 でも、唇よりも心の方が断然痛かった。 俺は悔しさで涙が溢れてきた。 どうすることも出来ない自分に腹が立った。