だんだんと寒くなり始め、町にはたくさんのイルミネーションが飾られる季節になった。


俺たちは久々に一緒に外を歩いた。


「クリスマスかぁ~」


「お前ってさぁ、イベント事とか好きそうだよな?」


「うん!!大好き!」



春奈はイルミネーションを見ながら目を輝かせていた。


「貴ちゃんにはプレゼント2つ用意しておくから」


「2つ?」



「誕生日プレゼントとクリスマスプレゼントの2つ」



そう、俺の誕生日はクリスマスと同じ日だった。



「いいよ。1つで・・・」



「ダメ!2つ用意するの!」



この頃から俺は春奈に振り回されるようになった。



付き合う前はどこか守ってあげたくなるような感じだったのに、今じゃそんなことはほと
んどなくなってしまった。



ときどき仕事で落ち込んだ時は泣きそうな顔をして俺を頼ってくれるんだけど・・・



女という生き物は怖いものだと少し感じた。



「何くれるの?」



「秘密~」