春奈と俺はしばらく、よく春奈の家に行って幸せな日々を過ごしていたが、そんなに長くは続かなかった。



俺たちはちょっとしたことで喧嘩をするようになった。



俺はあまり外に出歩くとまたこの前のように週刊誌に撮られてしまうと思い、外には出歩かないでおこうと提案したのだが、春奈は違っていた。



春奈はたくさんデートをしたいらしいのだ。



「そんなことしたら、また撮られるぞ!!」



「でも、あたし貴ちゃんといっぱいデートしたいもん!!」



俺は春奈に対してどこか神経質になっていたのだ。



「そんなの何年か経てばできるじゃん!」



俺は、春奈の芸能活動が少し落ち着いた頃にすればいいと思っていた。


「あたしは、今デートしたいの!!」


「ダメだ!」


「あっそ!貴ちゃんなんてもう知らない!」



「そうかよ!勝手にしろ!」



俺は春奈の家を飛び出した。



そして、イラついたままバイト先へと向かった。