慧はライトと向かい合わせで座って、ライトの格好をまじまじと見ていた。

(ライトってどこの人だろ。まさか…コスプレ?)

そんなことを思っていると、ライトが慧に話し出した。

「慧。本当に怪我はしていないんだな?」

「はい。本当にどこも怪我はしていません。」

そう笑顔で答えると、ライトは『ふっ』と笑い、慧に言った。

「あんな目にあったのになぜ、笑っている?」

「確かに怖かったですけど、ライトさんが、助けてくれましたし。

今はあの恐怖はどこかに吹き飛んでしまいました。」

そう答えると、ライトは懐かしそうに慧を見ていた。

そんなことにも気づかず、慧はライトに話しかけていた。

「で話は変わりますが、さっきの人影はいったい…。」

慧がそう言うと、ライトは真剣な表情になって慧の質問に答えた。

「あれは『ブラックブラット』。闇の世界に住む奴らでランクが一番低い奴らだ。」

「闇の世界??」

「俺の住む世界は二つの一族で成り立っている。」

「二つの世界…?」
「一つは俺が住む光界。もう一つはブラックブラットたち闇の者が住む闇界だ。

光界と闇界は対立しているんだ。」

「た、対立?なんでですか?」

「それは俺にも何にも言えない。俺が生まれたときから光界と闇界は対立しててな。」

「そうなんですか。」

そう慧が答えると、今度はライトが質問した。

「慧はなんでブラックブラットたちに追われていたんだ。」

慧はその質問に困ったような顔をしながら答えた。

「さぁ。それは、俺が一番知りたいです。」

その回答にライトは険しい表情になって言った。

「それはどうゆうことだ。」