慧が助けを求め叫んだと同時に、誰かが慧のところに駆け寄りながら人影に言った。

「やめろ!ブラックブラット!」

その人物が現れた途端、人影たちは慌てながら仲間に言っていく。

「ヤバイ!ミンナカエルゾ!」

「アイツハ‘コウゾク’ノヒトリダ!!」

「ケサレルマエニ、カエルンダ!」

人影たちがそう言いながら、一目散に逃げていく。

しかし、その人物は人影たちを逃がさなかった。

「お前らは、我らが滅する!!」

そう言った瞬間人影たちの姿が跡形もなく消えていた。

それを見ていた慧は、唖然としていた。

そのことに気付いたその人物は慧に話しかけていた。

「怪我は?」

その人物の一言に慧は我に返って、返事をした。

「えっ、あぁ、大丈夫です。」

その一言にその人物は安心した顔になりながら、慧に言った。

「よかった。君が無事で。」

「あっ、助けてくれてありがとうございました。
おかげで、死なずに済みました。えっと…」

「俺はライト・シンフォニー・フィリオ。」

「長いな…。ライトさんでいいですか?」

「さん付けはいらない。それと敬語もな。」

「で、でも…。」

「俺はお前と同じ年だ。穂高慧。」

「そ、そうなんですか!?…っていうかなんで俺の名前知って…。」

「話はここを出てからにしよう。」

「…はい。」

そう言ってライトは何かを唱えたかと思ったら、辺りが急に真っ白になった。

「慧。もう目を開けてもいいぞ。」

そう慧に言うと、恐る恐る目を開けるとそこは慧の部屋だった。

「えっ、俺の部屋…?」

慧が辺りを見回していると、ライトが慧を呼んだ。

「慧。そろそろ話を始めようか。」

「あ、はい。」

そう言うと慧はライトを座らせ自分もライトの目の前に座った。