扉に入ってから慧は不安だった。

もし自分が人間じゃなっかたらどうなるのだろうか、

というのが重く慧の心にのしかかっていた。

しかし、慧の心には不安とは逆に安心感があった。

(俺、こんなに不安なのにどこか安心してる。

もしかして、ライトが一緒だからか?)

そんなことを思いながら、出口が見えてきた。

「慧、そろそろ着くぞ。」

ライトがそう言うと、ライトの肩に乗っているものが慧に向かって飛び移ってきた。

それに驚いて慧は後ろに倒れた。

「うわっ!!」

慧の声に振り向いたライトは慧のところに駆け寄って言った。

「どうした慧!?」

「あっ、なんか飛んできて…。」

「何かが飛んできた?」

「ミィ~」

何かが鳴いて、不思議そうな顔をしながら慧を見ると、

慧の頬に何かが擦り寄っていた。

それを見たライトは驚いたように言った。

「フィリー…。なんでここにいるんだ。」

「ミュー♪」

ライトの言葉に慧は謎の動物を抱き上げながら言った。

「こいつフィリーって言うのか?」

「あぁ。光界に存在している生き物で俺が飼っている。」

そうライトが言うと、慧は納得したようにうなずいた。

「なるほど。こいつよっぽっどライトが好きなんだな。

こいつずっと、ライトの肩に居たんだぜ。」

慧がそう言いながら生き物を撫でていた。

その言葉にライトは頭をひねっていた。

(俺の肩にずっと居た…?)

そう疑問に思いながら慧に聞いた。