光と闇

慧はライトの言ったことにしばらく答えられなっかった。

当然だ。いきなり変な人影に襲われ、変な格好をして自分を助けてくれた人が、

急に自分の住む世界に来てほしいと言われたら、誰だって戸惑う。

そして慧は、薄々わかっていながらも、ライトに聞いてみた。

「ライトと一緒にって…?」

「光界にだ。」

慧の予想は見事に的中してしまった。

けれど慧は気になっていたことをいくつか聞いてみた。

「あの、ライトさんのその格好って…。」

「光界の服だが。」

「ですよね…。あと、ライトさん…」

「慧、さっきっから言わなかったが、さん付けと敬語は使うな。」

「けれど…。」

「い・い・な?」

ライトの迫力に押されて慧は、うなずいてしまった。

「わ、わかった。」

慧がそう言うとライトはどこか嬉しそうに笑った。

そして、慧が言いかけたことを聞いた。

「で、さっき何を言おうとしたんだ?」

「あ、えっと、その肩に乗ってるの何?」

「肩に乗ってる?」

「えっ、あっ…なんでもない。」

そう言って慧はライトの住む世界に行くか行かないか考えていた。

同じくしてライトは慧の言ったことに頭をひねっていた。

(俺の肩に何か居るのか?)

そんなことを思っていると慧が再びライトに質問した。

「なぁ、なんで俺がライトの住む世界に行かなきゃならないんだ?」

その質問にライトは丁寧に回答をした。

「慧、普通ならブラックブラットの居る世界に行くことはできない。

特に人間界、つまり慧が住むこの世界の人たちは。

俺たち光界の者ですら行くことが難しいんだ。

なのに人間である慧が行けるってことは、慧はただの、

この世界の人間じゃないかもしれない。

だから慧、君を光界の老師様のところに連れて行って、

慧が何者なのかを確かめたいんだ。」