「先輩、もう帰りますか?」
「ん?あーそうだね。帰ろうか」
「家ってどこら辺っすか?」
「えーと・・・O小学校の近くだけど。なんで?」
「じゃあ送っていきますよ」
「でも長田君って逆方向だよね。いいよ、1人で帰れるし」
「最近、そこら辺で不審者出てるらしいっすよ。先輩だって危ないですから」
「・・・お願いします・・・」
正直、まだ一緒にいたかったからお願いしたけど。本当に悪いなぁ・・・
それから家に着くまでの時間、互いに質問し合った。長田君は
サッカーが好きで将来の夢はサッカー選手になること・妹がいること・アイスが好き。
いろいろなことを知ることが出来た。でも恋愛的な質問は出来なかった
知ることが怖くて・・・なんて臆病なんだろう
さらっと「彼女はいるの?」って聞けれたらいいのに。
いつの間にか家に着いた
「先輩 おやすみなさい」
「うん。家まで送ってくれてありがとう。そーだ!長田君 まだ時間ある?もしよかったら、お礼したいんだけど・・・ダメかな?」
さっきからお世話になっちゃってるし お礼したいけど何がいいか分からないから、ずっと悩んでいた。それで、今日親が遅くなるって言ってたから、家でお茶ぐらいなら出来るよなぁって思ったから。
「え!?いや嬉しいっすけど、その・・・」
「やっぱダメだよね。ごめんね」
「いやダメとかじゃないんですけど。実は、その・・・女の子の家とか入ったこととかなくて緊張っていうか・・・」
え・・・?キンチョー?
「長田君ってめっちゃかわいい!」
「は!?やめてくださいよ~せっかく真剣に考えてたのに。もーいいです。帰ります」
「あはは・・・ごめんね、からかってるんじゃないから。いいじゃん、お茶飲んでっててよ」
「もうからかわないでくれるって約束してくださいね。じゃあお言葉に甘えて・・・」
長田君はちょっと緊張してそうな顔をして家に入った
「うわ~先輩の家、広いっすね」
「そんなことないよ。普通の家と変わんないと思うけど」
正直、嬉しいって言う気持ちとドキドキしてる感じが合わさって
何を喋ったらいいのか困る。友達とだったら普通に喋れるんだけどな・・・。
「先輩・・・。」
「な、なに・・・?」
長田君が消えそうな声で呼んできたからちょっとびっくりした
「あの・・・もしよかったら・・・」
「今週の土曜日にあるサッカーの試合見に来てくれませんか?」
「え・・・うん。行く!」
ちょっと告白を期待してしまった自分が恥ずかしい!!
でも、長田君がサッカーをやってるところを見たいと前から思っていたから
すっごく楽しみだなぁ
「長田君ってゴールキーパーだよね?」
「あ、知ってるんスか?」
「知ってるって言うか、放課後にグラウンド見てたら
長田君がゴールキーパーやってるのが分かったから」