「私を知る、みんなの記憶からも。」



…記憶から、も…⁈


「い、嫌だ、忘れたくない…」


「絢音の記憶からも、星の記憶からも、伊藤の記憶からも…」




「…忘れない、桜木のこと。」



そういうと、桜木は首につけていたネックレスをはずす。


そして、俺に渡す。



「受け取って、伊藤…早く‼」


最後強く言われて、受け取る。


ああ、もうじき腕まで消える…



「…お守り、わたしと、伊藤の。」

「お守り…」


「わたしは、わたしは、人間になりたい。…なるの、そのお守り。」



桜木.....!


「もし、人間になって、貴方だってすぐわかるように、目印…」


サラサラサラ…


もう、消えてなくなりそう…



「さよなら、伊藤…」


「…さよならじゃないよ。」



さよならなんかじゃないよ。



「…人間になるんだろ?
桜木……またな‼」




消える最後の最後だった。



でも


確かに桜木は




俺の大好きな笑顔で


笑っていたんだ…



また会えるよ。
桜木がくれたお守りがあるから。

絶対また会えるよ。

だから「またね。」なんだよ、桜木。



お守りが、目印が、あるじゃないか。


…俺は目印なんかなくても見つけるよ。


桜木のこと。

忘れない、忘れない、絶対…




-優太side end-