優太side

‥‥何が起ったのかわからなくなった。

バスケットゴールが古くなっていて落ちてきた。

そこまではわかる。
わかるんだ。


でも‥‥

いま目の前の出来事が信じられない。


俺の上に確かに、確かに落ちてきたバスケットゴールは俺の頭上で浮いていた。


浮いているんだ。


信じられない。
何が起っている‥‥?


これはなんだ、仕掛けがないとすると‥‥。

魔法みたいな‥‥。


そう思ったそのとき。


「ううっ‥‥‼」


桜木が倒れた。


「⁈ 大丈夫か桜木っ‼」


頭上で浮くバスケットゴールを無視して桜木に駆け寄る。

息が荒い。

まるでいまにも‥‥死んでしまそうな‥‥。


いやいや、縁起でもない‥‥。

今はそれどころではないだろう。


「桜木、桜木‼」


頬を何回かペチペチと叩いてみる。


‥‥反応はない。


どうしようかと迷った。


迷っていたその時だった。



パァァァァァァ


また、辺りは光に包まれた。