俺には2日前までの記憶がない。記憶喪失という奴だ。ここは俺の自宅らしい?でも俺は覚えてない。俺がおぼえているのは自分の名前が朝霧樹とぐらいだ。
「おはよ…ございます」
俺の恋人を名乗る人にあいさつをする。何故かは知らないが男なのだが…。相手の容姿は顔は可愛らしい少年顔。身長やや低めで細見。女と間違ってもおかしくない感じではある。名を鈴木蒼と言うらしい。
「あ!おはようございます。起きたんですね」
記憶がない俺を気遣ってかは知らないが、ずっと微笑んで傍に居てくれている。今もげんに微笑んでいる。
「樹さんは何か食べますか?」
「…じゃ…トーストで…」
色々気の利くいい子だと思うし、実際男と一緒でも嫌だと思わない。だけど、たまに見る寂しそうに悩む顔が気になる。その顔を見るたびに何かが自分の中で渦巻く。でも、何かが分からないから複雑な気分だ。
「ご飯出来ましたよ」
相手は微笑んでトーストを机の上に乗せながら俺を呼ぶ。相手の頬笑みを例えるなら…天使の笑顔かな?