[side 喜瀬夏輝]

「送ってくれてありがとう」

多軌君は私を家まで送ってくれた?

「じゃあまた明日な」

「うん、じゃあね」

私は多軌君に軽く手をふり家に入った。

────次の日

「多軌君、傘ありがとう」

「どういたしまして」

多軌の、無邪気な笑顔が可愛かった。

「何私の夏輝をナンパしてんのよ」

「哀緋ちゃん、おはよ」

「夏輝は─────」

「げっ─────」

相変わらずなか悪いなぁ。

2人で何か話していたみたいだったけど触れないでおこう。

─────ガラッ

「あー、席につけよ?まず転校生を紹介する」

先生と一緒に入ってきたのは昨日の人だった。

「上条日向です」

上条君はそれだけ言って1番後ろの席に座った。

休み時間私は上条君の所に行った。

「あの、私…喜瀬夏輝ですっ……先生にお世話係を頼まれて…」

「頼まれないと出来ない人なんですね」

「え…」

私は少しショックを受けた。

私嫌われてる…?

「どいて下さい」

「あ…ごめんなさい」

上条君って昨日の人…だよね?

雰囲気が違うことに違和感を覚えた。

何か怖い…?

「あ、哀緋ちゃんっ(泣)」

「そうよねぇ。夏輝は多軌みたいな男子とかとしか接点がないものね」

心配そうに哀緋ちゃんは私を見た。