[side 木下哀緋]

私と夏輝は小さい頃からの付き合いで親友。

そんな彼女に好意を持っているのは(おそらく)多軌だ。

念のため、私は多軌に言う。

「夏輝は私のモノなのよ?多軌にへあげないわ」

「げっ…木下さん……」

多軌の反応が面白くてからかいたくなってくる。

しかし、そんなある日夏輝か言った。

「多軌君と哀緋ちゃんて仲良いね!哀緋ちゃんのこと好きなんじゃない?」

バカ………と言うか鈍感。

ふっ、言ったれ。

「多軌の好きな人はね────」

!!

私は途中で言うのをやめた。

何故なら多軌が笑って私を見てたから。

………………

目が笑ってないわ。

「なんでも………ないわ」

「えぇっ、それはないよ哀緋ちゃん!」

頬をふくらます夏輝がとても可愛かった。

あ───────もうっ!

「だからあげたくないのよ!」

「?」

「あれ?声に出てたかしら?」

「うん。割と大きかったよ」

まぁ、いいわ。

「あ、私資料室行ってくるね!」

私は夏輝に軽く手をふった。

この気配……

「多軌ね。後ろに立たないでくれるかしら?殴りたくなるわ」

いえいえ、暴力はいけないわね。

「木下さんゴルゴ〇〇かよ(笑)面白いな(笑)」

多軌は私をバカにしたように言う。

私は少しイラッときた。

「私温厚だから殴らないわ。で、私に言いたいことは夏輝のことかしら?」