美菜は学校に向かう道を引き返し、お母さんとよく言った公園に向かった。

だれもいなかった。

美菜が小さい頃から遊具が錆びついていてこの公園で遊ぶ子供は少なかったが、最近大きな滑り台が人気の公園が出来てしまったため全くこの公園には人が来なくなってしまったのだ。

美菜はベンチに腰をかけた。

目の前には砂場。

お母さんと泥だんごを作った光景が蘇ってくる。

…なんで私生きてるんだろう。

美菜の口からそんな言葉が涙と一緒にこぼれた。

その時だった。
眩しい光がまるで何かが落ちたかのように大きな音と共に放った。

な、何?
目が開けられない!!

しかし美菜は自分でもわからない、温かくて優しい温もりに包まれたような感覚がよぎったことに混乱した。

それは不思議な瞬間だった。

美菜は手で両目を隠した。

出来ればずっとこのままでいたい。

そう思っていた。

そして光がおさまり、静まったとき目を開いた。

美菜は唖然とした。

目の前に家にあるようなドアが立っていたから。

これが美菜の不思議な体験の幕開けとなる。