プラチナ・ラブ


「暇があればこうして花音様に宛てた手紙を……。
何枚書いたかは分かりません。
そして、花音様がお生まれになる前日。
旦那様は私にこの手紙を授けました」

「これを……」


あたしはじっと手紙を見つめた。

真っ白な封筒の手紙を……。


「これを生まれてくる我が子に渡すその日まで、お前に預かっていてほしい。
……旦那様はそうおっしゃっていました」


渡すその日まで……ね。


「……ですが、その翌日。
旦那様はお亡くなりになられました。
……私は悩みました。
この手紙をいつ花音様にお渡しすべきか……。
……ちなみに小百合様はこの手紙の存在を知りません」


あの人すら知らない……この手紙……。


「これを……ずっと預かっててくれたんですか?」


矢田さんはゆっくり頷いた。


「旦那様は花音様の幸せを心から願っておられました。
そして……私も花音様の幸せを願っております」

「矢田さん……」

「……これから小百合様があなたと浅海様に対して何を行うかは分かりません。
ですが……決して幸せになることを諦めないでください。
花音様には……他の人と何ら変わらない、幸せになる権利があります。
それはたとえ母親である小百合様でも剥奪できない……永遠の権利です」