「小百合の娘への扱いの酷さだ。
アイツの性格の悪さはこの業界で有名だからな。
だが、経営の腕は良いから誰も何も言えない。
もちろん……常に小百合のそばにいて、誰よりも花音ちゃんの状態を分かっていたあの秘書もだ」
矢田……って人か。
「小百合は娘の存在をひた隠しにしようとしてた。
だが、娘の存在はバレていた。
名前や姿までは知らなくても、娘が小百合にどんな扱いを受けてるのは知っていた」
「……それは……どんな……」
「大翔も多少は知ってるだろう。
花音ちゃんから聞いてないか?」
「まぁ、ある程度は……」
「信じられなかったよ。
自分の娘にそんなことをするなんて。
疫病神呼ばわり。
完全にモノ扱い。
……でも、それはあくまでも噂だったから。
俺は自分の目で確かめたいと思っていた」
タカさんは小さく息を吐いた。
「……そんな時、俺にチャンスが訪れた。
とあるパーティーでのことだった。
あの秘書……矢田は本当に常に小百合のそばにいる。
そんな矢田がその日だけフラッと小百合の元を離れたんだ。
俺はすかさず後をつけた……」

