私が黙っていると…

「明日花は元気ないなー
大丈夫か?熱でもある?」

そう言うと、私のおでこに手を当てる先輩。

私は思わず後ずさってしまった。


「だ、だ、だ、大丈夫です!」

その優しさ、香奈に向けてほしい…
って、そんなこと言ってたら両思いになれない…


でも、香奈を裏切るなんて、もっと出来ない……


私、どうすれば…


「そう?
ならいいけど、明日花は無理する子だからたまには休まなきゃだめだよ!」


「…ありがとう…ございます。」


先輩は誰に対しても平等で優しくて、でもそのせいで傷ついた子が何人もいて…
私はそれを知っている。


そしてきっと、先輩は香奈の気持ちに気づいてる。
でも傷つけないためにあえて触れないようにしてるんだ。