「まず包丁の握り方はこう!」

松田くんはすぐに握り方を覚えた。
覚えが早いあたりはやっぱり頭良いなと思わせて…


「じゃあ次は実際に切ってみようか。
包丁を握ってない方の手を丸めてキャベツに添える。
このとき、手を丸めてないと指を切っちゃう可能性があるから気をつけてね。
あとは食べやすい大きさに切るだけだよ」



私がそう言うと松田くんは切り始めた。

…手がプルプルしてる…
松田くん、大丈夫かな?


「…大丈夫?」

「大丈夫だ。」

「本当に?」

「…今声をかけるな!
集中している!」


「…はいっ!」

…やっぱ怖い…
ちょっとでも可愛いと思ったのは勘違いだったかな…