「海斗のお母さんとお父さんは？」
「・・・それ聞く？」
「話したくないなら・・・いいけど・・・。」
「俺の母さんは
死んだよ？
この世から逃げたんだ・・・。
俺にも その逃げ癖が
遺伝したのかもな。」
「え・・・。」
「自殺だよ 自殺っ。
で・・・
父さんは 医者。
それも 世界の名医の中で
片手に入るくらいなんだと・・・。
いっつも 帰ってこない。」
「・・・なんか・・・ごめん。」
「謝んなよ。
俺 母さんがいなくても
父さんが帰ってこなくても
親なんか好きじゃねえし
会いたくもねぇ。
別に悲しくもなんともない。」
