通学路から少し外れたこの店で、放課後の退屈な時間を潰すのが二人の日課だ。



いつもここに来ると、二人は二階の窓側で、階段から一番遠い席に座る。






膨れっ面な美加を前にしても、有志は笑いをこらえることが出来ない。


この様なやり取りは、二人にとってみればいつものこと。


仲が良いからできる口げんかである。








高1の美加は、背は中くらい、髪はボブで少し茶色く染めている、ごく普通の女の子だ。




最近の悩みは2つ。



ひとつは、若干つまむことの出来るウエスト。


ダイエットに関しては、止められないファーストフードで諦め気味だ。


だからと言って、運動部に所属しているわけでもないため、現状維持も危うい状態である。



もうひとつは、高校生にもなって彼氏がいないこと。


クリスマスを目前に控えたこの時期に、彼氏が欲しくなるのは当たり前のことである。


高校生になって初めてのクリスマスを前に、美加の焦りもつのっていた。



向かいに座っている有志とは、中学が一緒だった。


が、同じクラスなかった為、お互い顔は知ってはいたものの、言葉を交わすことはほとんどなかった。


同じ高校に進み、私立ということもあって、入学時は知り合いも少なく、自然と仲良くなっていったのである。



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