*憧れの先輩と同い年のアイツ*

いきなり起こったこの状況を、美加は理解出来ずにいた。


(購買行って…クリームパン取ろうとしたら…手が…えっと、それから…竜也先輩があたしの名前知ってて…由衣はスキップしてて…)






「美加ちゃん?」



竜也が不思議そうに美加の顔を覗き込んだ。



『んっ?//何ですか?』


「はい、どーぞ!」





竜也はクリームパンを半分に割ると、片方を美加に差し出した。


「俺ね、購買のクリームパン、すっげぇ好きなの。男なのにカッコ悪いっしょ?昨年迄は買ったことすらなかったんだけどね…」



いただきます、と美加は両手でそれを受け取った。



「どうぞ。でもさ…」



少し照れたように話す竜也の顔から、目が離せずにいた。