「はい、手ふけよ。」


『ありがと。気が利くじゃん。』



タバスコで指が赤くなっている美加に、有志はナプキンを差し出した。



『有志は私と違ってモテるんだから、クリスマスくらい彼女作ればいいじゃん!』


「バーカ!俺はお前といた方が楽しいんだよ。」


『あっそι』



ニコニコしている有志を見て、


(こんな事言ってくれるのが有志じゃなかったらなぁ…)


心の中で美加はそう考えつつ、駅へと続く大通りに目をやれば、やはり目に付くのは、同年代の恋人達である。