『くっ……どうやら見くびり過ぎていたようだな。わかったよ、本気でいかせてもらう。』
片膝を立て、しゃがんだ体制から右の足首に触れる。
『パンチなんてのはどうも嫌いでね。』
足首から膝にかけて、先程の両腕同様に青い光りの筋が張り巡らされる。
「カニぃ?言い訳なんか聞きたくもないカニ。所詮、貴様は犬なんだカニ。狼だとか言っていたカニが、負け犬には変わりないカニ。」
大バサミをロウガに向けるが、その甲殻の表面には所々に氷の膜が張っている。
『わかってねぇなぁ……俺の氷は溶けないんだよ。』
立ち上がり、右足を前に出す。
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