――――― 代わりに父親の靴を取り出す。 少し窮屈だが問題ない。 クツがきゅうクツ… はははっ なんだよ俺。 こんな奴だったか? ――ガチャッ 「眩しっ…」 目の前が真っ白になって立ちくらみを起こす。 「あれ…なんだよ、簡単じゃんか…」 段々と目が慣れてきて外の景色が開けてくる。 目指すのは『矢車荘』。 意外にも足取りは軽く、鼻歌でも歌いたい気分だ。 それくらい俺は、ついさっきまでの自分と違って生き生きとしていた。 .