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そのレスの中に奇妙な表現がされていた。
『今回は赤い目の破壊者は現れなかったみたいだ』
他の記事の書き込みにも時々名前が出る『赤い目の破壊者』。
全ての書き込みに目を通してわかったのは、『赤い目の破壊者』というのはどうやら、破壊者を倒す破壊者の事らしい。
はっきりと見た人はいないようだか、人を守る為に破壊者を倒しているようだ。
少ない目撃情報を元に想像図が添付されていたが、赤い大きな楕円形の目をしていて、全身は黒と緑、眉間の辺りに触角のような物がついている。
胸が騒いだ。
この暗い部屋に一人。
定期的に部屋の前に置かれている食事。
抜け出したくても抜け出せない穴に堕ちたような感覚。
何かに興味を示す訳でもなく、ただただ繰り返される毎日。
地獄からいくら手を伸ばしても掴めなかった光。
まさに、その地獄に一筋の光が差し込んだ瞬間だった。
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